巻頭所感集

 20190121            計量士への期待

 

                         副会長 桑山 重光

 5月1日、平成から新しい元号に変わります。「明治」、「大正」、「昭和」、「平成」と続き次の元号は、何でしょうか。昭和から平成に変わる時、「平成(へいせい)」 、「修文(しゅうぶん)、「正化(せいか)」が最終候補に挙げられていました。国民の関心は高まる一方です。 計量士制度は、工場、事業場、店舗、官公庁などにおける計量管理を促進するため指定事業場の制度(現在の適正計量管理事業所)とともに昭和26年6月7日に公布、翌27年3月1日に施行された計量法に取り入れられました。指定事業場に計量士を置いて計量管理を行う場合は、計量器の定期検査を免除するという規定が設けられました。計量士は計量管理の実務を担当する者として、単に取締り免除に必要な法令や技術の知識だけでなく、計量管理を実施できる知識と技術を有しなければならないとされました。計量士を取得する要件は、計量士国家試験に合格し、かつ、計量に関する実務に一年以上従事した者か、または計量教習所の科程を終了し、かつ計量に関する実務に五年以上従事した者であって、計量行政審議会が計量士国家試験合格者と同等以上の知識経験を有するものと認められた者との二通りでした。その後、昭和49年の法律改正により環境計量士が創設され、平成4年には、環境計量士が、「濃度関係」と「騒音・振動関係」に区分されました。 計量法の主な沿革では、昭和41年に計量法の大改正が行われ、昭和61年に電気計器の検定等の主体に指定検定機関(日本電気計器検定所)が追加され、平成4年5月22日に新計量法が制定され、翌年の11月1日に施行され現在に至っています。この間、平成20年4月22日に計量行政審議会より「新しい計量行政の報告について」の答申がとりまとめられました。この答申の中で、計量士の登録更新制度等の導入(例えば、5年ごとに更新を実施)、計量士の能力を活用した計量法の執行の推進が挙げられていました。しかしながら、社会の諸事情により計量法の改正には至りませんでした。 直近では、計量制度の見直しの検討ということで、平成28年2月~8月にかけて「計量制度に関する課題検討会」、「計量行政審議会総会」、「基本部会」が行われ、平成28年11月1日に「今後の計量行政の在り方―次なる10年に向けて」の答申がとりまとめられました。この答申を踏まえて、法目的である適正な計量の実施を確保するために、特定計量器である質量計に「自動はかり」を追加すること、指定検定機関の指定に器差検定を中心に行う区分の追加をする等の計量法施行令及び計量法関係手数料令の一部を改正する政令及び計量法施行規則の一部を改正する省令が公布されました。 この政省令改正において、指定検定機関の指定に器差検定を中心に行う区分に非自動はかり、自動はかり、燃料油メータが追加されました。従来から検定を行っている質量計において自動はかりも新たに検定を実施することになりました。特に、器差検定を中心とした指定検定機関の検定を実施する者の条件に、一般計量士が規定されました。また、計量士の登録条件が、「一般計量士にあっては、質量に係る計量に関する実務に2年以上従事していること」となり、実務期間が5年以上から2年以上に短縮されました。これは千載一遇のチャンスであります。このチャンスを生かすには、新たな人材の補充(若手計量士)の確保、自動はかりの検定に対応できる計量士の確保、技術の進歩や社会的環境等に応じたフォーロアップや研修の実施等に取り組んでいく必要があります。 私は、今年の5月に古希(70歳)の誕生日を迎えます。「若手計量士」からは卒業しますが、今後は、一番好きな座右の銘である温故知新(意味:古きを温め、新しきを知る。経験のない新しいことを進めるにも、過去を充分学ぶことから知恵を得ようということ。)の精神を理念に、今まで培ってきた技術や経験を生かし、「熟年計量士」として正しい計量思想の普及・適正な計量活動の推進に努力していきたいと思っています。 最後に、期待される計量士とは、①実現したい目標を持っていること。②目標を人に伝えるスキルを持っていること。③目標を実現した実績を持っていること。ではないでしょうか。

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 20180814                 探 照 灯

   

                           総務部長  檜林 功

 昭和が終わって平成も30年の節目を迎え、終戦の頃に住んでいた横須賀を訪ねたく、姉の記憶を頼りに姉弟3人で行ってきた。  京浜急行「汐入」駅からそんなに遠くないあたりに見当をつけて、小山の中腹を探した。階段がくねくね曲がっており、蹴上(けあげ )も高く踏面(ふみづら)もがたがたなのでちょっと違うんじゃないか、私の記憶では階段は真っすぐだったと思うよ、などと言いながら別のところを3ケ所ほど探してみた。  そうこうしているうちにお昼も過ぎたので、有名な海軍カレーでも食べようかと、横須賀ジャンバー「スカジャン」発祥の地、どぶ板通りの中程にある海軍カレーの張り紙が出ているバー風のレストランに入った。 横須賀は終戦の1年ほど前、父が海軍工廠(こうしょう)に配属になったので、疎開先から逆疎開して来たのである。戦後70数年も経った今、住所も分からぬまま探しに行ってみようというのだから無茶ではあるが、我が家の家族7人はそこで迎えた終戦の記憶が生々しい。その日父は米軍に捕まり、帰れないかもしれないと、家族と別れの水盃を涙で交わした家という強い思い出が残っているからである。 空襲警報のサイレンで防空壕へ飛び込んだこと、東京方面に向かうB29爆撃機の編隊に、あちこちから照射する探照灯がきれいだったこと、高射砲等の発砲音が恐ろしかった等、強烈に脳裏に焼き付いているのである。  ランチ後、横須賀港を見て駅へ戻る途中、どぶ板通りを歩いていたら姉が突然「あ!大黒湯だ!」と指さし叫ぶではないか。なんと当時通った銭湯がまだ残っていたのである!3姉弟が飛び上がって喜んだことは、言うまでもない。 懐かしい我が家へ向かう直通階段も昔のまま残っていて、感激もまたひとしおであった。階段を一段一段上り、ここだとおぼしき所に2軒長屋の古い家があった。無論今は無人でボロボロに朽ちてはいたが、昔を偲ぶには十分で、しばし当時を語り合い時の過ぎるを忘れた。  我々3姉弟の「昭和」はここに到れりで、横須賀探訪の思い出の旅は終わった。 さて来年は平成も終わり、年号が代わる。 驚きは130年も使われてきた国際キログラムの定義が変わることである。  電流のアンペアも変わり温度のケルビンも、物質量モルの定義も変わる見込みで、国際度量衡総会で採択されれば来年5月20日、世界中で一斉に施行される予定になっている。  人間生活上、欠くことのできない量の基本定義が変わり、人も代わりそして世の中も変わっていく。これも進化した科学の力か、自然のリンネか。  時 代は代わっても人が必ず守るもの、それは命を尊重し犯罪のない誰もが安心して暮らせる「平和な社会」である。昭和時代、平成時代をたくましく生き抜いてきた我が人生が、こんにちの犯罪多い殺伐とした日本を眺めた時、平和の大切さを痛切に感じるのである。

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 20180126           東京計量士会の発展に向けて

 

                             副会長  増永義雄

 東京計量士会に入会して10年余り、その内「理事」として約8年間お世話になっております。この度、急遽「副会長」の役を仰せつかり戸惑っております。  そこで「お尻を拭く(副)会長」であれば 何とか務まる」のでは、という浅はかな気持ちでおりましたが、既に「お尻を拭く(副)会長」は前任がおりましたので、東京計量士会としては比較的責任が少ない「床を拭く(副)会長」を引き受けることになりました。 責任ある役職はまだまだできないことも多いと思いますが、皆様の足手まといにならないように努力していきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。  さて、東京計量士会は歴代の役員の皆様や諸先輩方により数多くの功績と発展をしておりますが、 中でも、「都民計量のひろば」と「出前計量教室」及び「一軸試験機の校正を含む適正計量管理検査事業」は東京計量士会の重要な柱と考えております。  「都民計量のひろば」は、「くらしと計量」をメインテーマとして毎年11月1日に新宿駅西口広場で開催し、くらしの中に生きる計量を広く都民に啓蒙してきております。 特に、平成29年に「都民計量のひろば実行委員会」が行った「アンケート」の中で「公共料金等」に対する質問では、回答した約 5割の人が「ガス、水道、電気の正確性、信頼性に興味がある」と回答していることを鑑みて、公共料金を算出する計量器は正確性、信頼性が重要と考えております。 更に「ひろば」に参加された都民が「計量」に対する理解をより深めて頂けますように、「くらしの計量」である「都民 計量のひろば」を皆様とともに盛り上げ、発展させてまいりたいと思います。  また、大手企業による検査データの改ざん事件などが発覚されていますが、くらしの中に正しい計量があってこそ希望の持てる社会を担っていくものです。 希望の持てる社会を担うには、未来のある子供達に「単位や基準」により正しく「計る」、「量る」、「測る」ことなど、生活の中の正確な計量が重要であることを教える「出前計量教室」は、正しい社会の秩序を保つことに役立っておりますし、「都民計量のひろば」とともに更なる発展に努力したいと思っております。  そして、「一軸試験機の校正を含む適正計量管理検査事業」は東京都計量士会の重要事業の一つでありますが、ここでも事業に従事する方々の「高齢化」が大きな問題となっています。  現在、日本人の平均寿命が80歳代に延びたこともあり、「70、80は若手のうち」と言われそうですが、企業で勤務することは個人によっても違いがあり、大きな負担が掛かってくる場合もあると思います。 今後の「検査事業」を発展していくためには、会員一人ひとりの個人負担に起因することなく、相互扶助 の立場から皆様の「検査事業」へのご協力をお願いいたします。  最後に東京計量士会の更なる発展に向け、会の諸活動を盛り上げていくべき会員諸兄のご協力・ご支援をよろしくお願い申し上げます。

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 20170901           東京計量士会会長に就任して

                

                             会長  小林 悌二


  この度、平成29年度第18回東京計量士会定時総会において会長として、承認されました小林悌二です。
 私は、昭和40年4月に東京都に採用され、計量検定所に配属されてから現在まで計量に関わって50数年になりま す。その内訳は、計量検定所に約40年間うち景品表示法を担当し4年間新宿の都庁舎に勤務した以外は計量行政一筋でした。平成19年3月に定年退職後、縁あって(株)丸井の適正計量管理事業所の計量士として勤務することになり、東京計量士会に入会して、これが当会との関わりの始まりです。 東京計量士会では、入会2年目から理事として主に出前計量教室の講師として10年間で約130校の講師を務めて参りました。また、3期にわたって印南、横尾会長のもと副会長として務めさせて頂きました。今年度、前任の横尾会長が健康上の理由から、会長職を辞して勇退することになり、会長職を受けることを決めました。
 新体制になり組織強化のため組織改正を行い、技術研修部等の活性化を図り会員の多くが参加できる研修・見学会実施の体制作りとホームページの再構築を行い的確で速やかな情報提供を行えるようしていきたいと考えています。 また、出前計量教室等の普及啓発部門の更なる充実を図っていきます。それに加えて検査事業部の後継者も課題としてあります。 昨年、計量行政審議会の答申を受けて、今年度、政省令の改正が行われ、その内容には、計量士の新たな役割も盛り込まれており今後、さらに計量士の活動の場が増えることが考えられます。それらに対応するために積極的に取り組んでいきます。 そして、これから活躍して頂く若い会員の入会を促す取り組みとともに、会員、理事の皆様のご支援、ご協力を頂き更なる東京計量士会の発展ために、努めていきたいと考えております。
 よろしくお願いいたします。