巻頭所感集


                  令和六年 新年にあたって

  20240101

 

                                        会長 小林 悌二


 令和六年「甲辰」(きのえ・たつ)新年明けましておめでとうございます。
 昨年は新型コロナウイルスの感染状況が令和5年2月に入って感染拡大が終息に向かっている事もあり、国は3月中旬からマスク着用義務を個人の判断に委ねることや5月の連休の後にコロナを感染症基準の第2類相当から第5類に移行することを決定し、規制緩和に大きく舵を切り、移動制限等が解除されました。
 しかし新年、早々に最大震度7が観測された能登半島地震や羽田空港で起きた日本航空と海上保安庁の航空機の衝突等、社会基盤を揺るがす災害や事故が起き前途多難の新年です。
 ところで、当会を取り巻く情勢は令和5年度の総会は対面開催で実施し、出前計量教室は7月に1校、11月に2校と夏休み計量教室(荒川区、江戸川区)を実施しました。
 また、新体制での関東甲信越地区計量団体協議会第1回の埼玉大会に続き10月に第2回長野大会を開催し、その中で初めての取り組みとして関ブロの構成団体が直面する共通の課題や問題点について、関ブロとして共通認識を高め問題解決の糸口を探る一環として、関ブロ主催の講習会を令和6年2月16日(金)にオンライン可で日本計量会館にて「新しいキログラムの定義とキログラム原器の重要文化財指定」、「計量器規制の概要及び自動はかりの規制の現状」の2題を実施します。
 自動はかりについては、特定計量器として「目量が10mg以上で目盛標識の数が100以上のもの」、自動捕捉式はかりの法第16条の適用を「ひょう量5㎏以下」に限定、その使用の制限開始日を2年間延長等の政令改正が令和3年7月に行われました。
さらに、ホッパースケール、充填用自動はかり、コンベヤースケールについても同様に5年間延長等の政令の改正が令和4年8月に行われました。
 指定検定機関については、令和5年9月に全国自動はかり検定(株)が新規に指定され5機関となり、新たに使用される自動捕捉式はかりの検定が2年間延長され令和6年4月から開始されます。
私の新年の所感として、この1年はコロナ禍が収束しても、気温の上昇、異常気象や地震などが懸念されますが、当会においては、研修見学会、出前教室等の事業や自動はかり対応など、我々計量士に関わる身近な事や計量情報等につてはホームページや会報を更に充実して、最新の情報提供を行ってまいります。
 新しい令和の10年を見据えて世代交代を的確に行い若手計量士の育成や多岐にわたる計量情報を会員各位に提供することが最も重要だと考えております。

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                   令和五年(癸卯)新年にあたって

    20230101
  
               

                                               会長 小林 悌二 


             令和五年(癸卯)新年明けましておめでとうございます。
            昨年は新型コロナウイルスの感染の拡大が収束せず、第6波から始まり第7波と感染拡大のピークを迎えていましたが政府は移動制限等を行わず経済優先に舵を切り秋口から人流が増え暮れから正月にかけてコロナ禍以前の賑わいを取り戻しているものの、第8波と感染拡大して、渡航制限も緩和されて更なる感染拡大が懸念されていますが、移動制限等は現在のところ行わない方針のようです。
 ところで、令和4年度の当会を取り巻く情勢は移動制限が緩和されたのに伴い総会については久々の対面での開催となりました。
その他の事業につては、研修見学会等は開催を見送り、出前計量教室は感染の状況を見ながら募集を3期に分けて行い第1期(6・7月)3校、第2期(9月~12月)2校で5校実施し、第3期(1月~3月)5校を実施していきます。
 また、自動はかりについては、特定計量器として「目量が10mg以上で目盛標識の数が100以上のもの」、自動捕捉式はかりの法第16条の適用を「ひょう量5㎏以下」に限定、その使用の制限開始日を2年間延長等政令の改正が令和3年7月に行われました。
さらに、ホッパースケール、充填用自動はかり、コンベヤースケールについても同様に5年間の政令の改正が令和4年8月に行われました。
 指定検定機関については、令和4年9月現在、燃料油メーターと非自動はかり(車両用はかり以外)各1機関及び自動捕捉式はかりの4機関が立ち上がったものの自動はかりについては、使用の制限開始日の先送りなどもあり全体として遅れが目立っています。
当会においては、あと数年は移動制限を行わず経済を優先したウィズコロナととらえ、感染対策を念頭に置き、研修見学会や出前教室等の事業、理事会等についてもコロナ禍に対応するべく再構築して、自動はかり対応などの変革に取り残されず、我々計量士に関わる身近な事や計量情報等につてはホームページや会報を更に充実して、最新の情報提供を行ってまいります。
 私の新年の所感として、コロナ禍が早期に収束することを願いつつ、当会においては新しい令和の10年を見据えて世代交代を的確に行い若手計量士の育成や多岐にわたる計量情報を会員各位に提供することが最も重要だと考えております。

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  20220101            令和四年(壬寅)新年にあたって

 


                                  会長 小林 悌二 

  令和四年(壬寅)新年明けましておめでとうございます。
 昨年は新型コロナウイルスの感染の拡大が収束せず、ワクチン接種もスムーズに行き渡らないなどで感染拡大が 収束されないまま、1年延期されたオリンピックが開催されましたが、選手の活躍には癒されました。コロナ感染については、8月から10月にかけて第五波で感染が急拡大し新規感染者が全国的に約26,000人に達し、医療が逼迫し心配されましたがその後急速な減少になり、人流も増えコロナ禍以前に戻れるか期待していたところ、12月下旬感染力が強いオミクロン株の感染が出現し、コロナの感染も徐々に増加傾向にあり新年以降のオミクロン株の急速な感染拡大が懸念されます。
ところで、コロナ禍で当会を取り巻く情勢は令和3年度の総会も文書表決となり、その他の事業は研修見学会は実施できず、出前計量教室は感染の減少を見越して9月から募集を実施しましたが10月から12月に希望した5校は感染拡大のため中止とし1月から2月実施する予定の5校は感染対策を行い実施する予定でしたがオミクロン株の急速な感染拡大のため、1月実施の3校は中止し残る2校は感染状況を見極めることとしました。
 また、自動はかりについては、特定計量器として「目量が10mg以上で目盛標識の数が100以上のもの」、自動捕捉式はかりの法第16条の適用を「ひょう量5㎏以下」に限定、その適用を2年間延長等政令の改正が行われました。
 指定検定機関については、令和3年10月現在、燃料油メーターと非自動はかり(車両用はかり以外)一機関及び自動捕捉式はかりの三機関が立ち上がったものの自動はかりについては、全体として遅れが目立っています。
 しかし、順次他の3機種の既使用のはかりについて、検定開始の猶予期間が設けられて全てが検定を行われるのは令和8年4月からになる計画ですが、法第16条の適用の延長を自動捕捉式はかりと同様に2年間程度延長することが検討されています。
 令和4年もコロナ禍の収束もワクチン3回目接種の状況にかかっていますが、オミクロン株の感染拡大し社会活動の制限が懸念されており、その対応として当会の事業のうち出前計量教室は昨年同様に行政と事前に状況把握し、コロナ禍で対応できる準備や講義内容・時間を検討し実施します。
 あと数年はウィズコロナととらえ、その他の事業、理事会等についてもコロナ禍に対応するべく再構築して、自動はかり対応などの変革に取り残されず、我々計量士に関わる身近な事や計量情報等についてはホームページを更に充実して、最新の情報提供を行ってまいります。
 私の新年の所感として、コロナ禍が早期に収束することを願いつつ、当会においては新しい令和の10年を見据えて世代交代を的確に行い若手計量士の育成や多岐にわたる計量情報を会員各位に提供することが最も重要だと考えております

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  20210101          令和三年(辛丑)新年にあたって


                       
                                     会長  小林 悌二
 

  令和三年(辛丑)

 新年明けましておめでとうございます。
 昨年、1月に新型コロナウイルスが日本でも感染の拡大が始まり、オリンピックの延期が決まり、さらに4月から5月にかけて非常事態宣言が出され私達が今まで経験したことのない事態になりました。その後も新型コロナウイルスの感染拡大の第二波、そして第三波にあっては、全国的に感染者が3000人を超える事態になり、政府も暮れの28日から1月11日までGo Toトラベルの中止に追い込まれ、沈静化に躍起となっています。 
 ところで、この1年、コロナ禍で当会を取り巻く情勢は2月に最後の出前計量教室が全国一斉休校のため中止になり、総会も文書表決となり、新年度の事業も研修見学会、出前計量教室は実施できず、検査事業部会の一軸試験等については一部変更があったものの実施できました。
 また、自動はかり等の指定検定機関については、平成元年7月に燃料油メーターの一機関が立ち上がったものの自動はかりについては、一部検定が開始されていますが指定検定機関は立ち上がっておらず検定管理者の講習の有効期間が2年から5年に延長されており、また、自動はかりのJISの改正・公示が今年度中に行われる予定になっていますが、自動はかりの型式承認を受けている器種の情報も無く、指定検定機関が新年度の4月頃までに指定されるのかその先行きが不透明な部分が多く懸念されるところです。しかし、順次、他の3機種、既使用のはかりについて、検定開始の猶予期間が設けられて全てが検定を行われるのは令和8年4月からになる計画ですが、コロナ禍に紛れて実施が遅れることによる混乱も予想されますが、全ての面で軌道に乗るのは10年先頃になると考えられます。
 令和3年もコロナ禍の収束もワクチン接種の普及の状況にかかっていますが、その見通しは難しく、その対応として当会の事業のうち出前計量教室は行政と事前に相談を行い教育委員会から情報収集を行いコロナ禍で対応できる準備や講義内容・時間を検討しています  その他の計量情報等についてはホームページを更に充実して、最新の情報提供を行ってまいります。その他の事業、理事会等についてもコロナ禍に対応するべく再構築して、自動はかり対応などの変革に取り残されず、我々計量士に関わる身近な事について、更なる活動が望まれています。
 私の新年の所感として、コロナ禍が早期に収束することを願いつつ、当会においては新しい令和の10年を見据えて世代交代を的確に行い若手計量士の育成や多岐にわたる計量情報を会員各位に提供することが最も重要だと考えております。

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 202012015         会務とホームページの運営につい て

       

                        総務部長  竹添 雅雄

 歳月人を待たず、光陰矢の如し。令和2年も早や師走となりました。本来であれば7月には世界各国のアスリートが集う平和の祭典、東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されるはずでした。しかしながら、人類を脅かす感染症・新型コロナウイルスのパンデミックにともない、大会は中止を余儀なくされ、日常生活においてはマスクの着用、界面活性剤やアルコール消毒液による充分な手洗い、三密を避けたソーシャルディスタンスの徹底といった新たな生活様式が浸透しました。企業においても、リモートワークや時差出勤といった勤務形態が主流となり、私たちの毎日は大きく様変わりしました。令和2年度の当士会活動は、残念ながら新型コロナウイルス感染症対策のため大部分が中止となりました。私が担当を仰せつかっている会務関係では、会の運営に欠かせない理事会の開催が上半期はすべて中止となり、会議準備や議事録作成等の業務を行うことは叶いませんでした。自粛が求められる社会情勢のなか、唯一例年通り継続実施できた活動はリモートワークが可能なホームページの管理運営でありました。東京計量士会ホームページは平成24年(2012年)10月に溝口研修部長(当時)によって開設され、私は後任として平成29年(2017年)7月から管理・運営を引き継ぎました。ホームページでは、当士会と計量業界全般にわたる情報の発信、及び会員相互の利便性を主目的に運用しています。手作りホームページのため、1ページ当たりの情報量はさほど多くはありませんが、重要な項目に的をしぼり、情報発信源としての役割を担ってゆくべく、タイムリーかつ正確な運営を心がけております。 当士会では、計量士による適正な計量管理の維持・推進のため、東京都計量検定所ならびに一般社団法人東京都計量協会と協力し、価値ある計量士の育成を目指し、日々活動しております。今後とも会員の皆様の更なるご協力を賜り、適正な計量管理の確保のため活動してまいります。新型コロナウイルス感染症は、まだまだ予断を許さない状況下にあり1日も早い適正ワクチンの開発が望まれます。会員各位におかれましては、くれぐれもお身体ご自愛くださいますよう切に祈念いたします。今後もご指導ご鞭撻のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

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 20200101          令和2年(庚子)新年にあたって


                       会長  小林 悌二


 令和2年(庚子)新年明けましておめでとうございます。 昨年、5月1日に天皇陛下のご退位に伴う元号が令和に改元されました。その後、新天皇の「即位の礼」として大嘗祭が執り行われ名実ともに令和の新時代が歩みだし、令和で初めて新年を迎えることができました。この様な節目の年に東京計量士会も、創立20周年を迎えることになりました。それらを当会の歴史の歩みとして記憶に残すべく「設立20周年のあゆみ」という記念誌を発刊することにし、併せて、ささやかでありますが式典を当会の新年賀詞交歓会の日に開催して、当会の運営に永年にわたりご尽力して頂いた方々に感謝の意を伝へ記念品の贈呈を行いたいと考えております。 昨年はラグビーワールドカップで日本がベスト8になり、日本中が大いに盛り上がりました。今年は東京オリンピック、パラリンピックが開催され日本人選手の活躍が期待されています。 ところで、計量に関わる部分では、平成30年11月の国際度量衡総会で基本単位のうち4単位(キログラム、アンペア、ケルビンそしてモル)の定義の変更があり、130年の時を経て、唯一人工物が、基準になっていたキログラム原器が令和元年5月20日の世界計量記念日に物理定数に基づくプランク定数に置きかえられました。平成29年に政省令の改正により、自動はかりが特定計量器に追加され、更に検定については指定検定機関を立ち上げその中で計量士3名が必置要件となりました。この自動はかりについては、昨年の4月1日から新たに使用する自動捕捉式はかりの検定が開始されるはずでしたが指定検定機関の立ち上げが遅れており、その先行きが不透明な部分が多く懸念されるところです。しかし、順次、他の3機種、既使用のはかりについて、検定開始の猶予期間が設けられ全ての検定が行われるのは令和8年4月からになる計画で、実施が遅れることによる混乱も予想されますので、全ての面で軌道に乗るのは10年先頃になると考えられます。 令和の新しい時代に当会も歴史的な変革に取り残されず、我々計量士に関わる身近な事について、更なる活動が望まれています。当会の事業の柱である計量の普及・啓発である出前計量教室と検査事業部があり、出前計量教室は平成17年度から行政とともに実施しており、検査事業部も併せて更なる充実と発展が望まれています。私の新年の所感として、当会は新しい令和の10年を見据えて世代交代を的確に行い、若手計量士の育成や多岐にわたる計量情報を会員各位に提供することが最も重要だと考えております。

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nn20190806          東京計量士会の活動について

 

                        副会長 大岡紀美子

 東京計量士会の前身である日本計量士会東京支部から「東京計量士会」になって20周年を、令和2年4月に迎えることになりました。当時、会長だった故奈良部さんから、名称を東京都計量士会としないで「東京計量士会」として、他県の方達も活動できるよう、広く門戸を開放するとの意見が出され名称を「東京計量士会」とすることになりました。その精神が生かされ、会員のみならず、近県の計量士会との研修見学会の共催、出前計量教室の材料の提供などに実を結んでいます。 これからも、近県の計量士会との情報交換を密にして親睦を深めて行きたいと考えています。会の組織としては、事務局、総務部、教育啓発部、広報部、研修部、検査事業部の態勢で活動しています。① 事務局は、会の運営及び会計事務担当業務、一般事務管理業務と総務部との連携を図っています。② 総務部は、事務局と密接に連携し、対外折衝等会の総務事項を担当し、HPの更新等管理業務、議事録作成等の業務を行います。HPはご案内、当士会概要、スケジュール、活動報告、出前教室、交差点、LINK、入会案内、巻頭所感集、お問い合わせ、プライバシーポリシー、技術情報の内容を随時更新しています。③ 教育啓発部は、出前計量教室の実務と都民計量のひろば(計量記念日行事)へ企画立案等協力を行っています。出前計量教室は昨年度実績で14校(児童数計907名)、当会協力者21名(延べ115名)実施し、今年度も同様な規模で実施する予定です。④ 広報部は、専任担当者と各部部長を編集委員とし、広く情報を収集し年2回の会報発行をしています。平成14年から発行し、令和1年6月で第51号を発行しています。⑤ 研修部は、内外の計量情報を掌握し、法改正等行政情報を伝達する等、研修会を開催し、また、年1回優良施設等の見学会を開催、最新技術の習得のために企画しています。⑥ 検査事業部は、計量管理受託業務、検査校正業務を受託しています。その内容は、計量管理受託業務は流通業、製造業ともに1社2事業所を受託し、検査校正事業は約50社で検査校正を実施しています。さらに、平成29年に政省令の改正により、自動はかりが特定計量器に追加され、更に検定については指定検定機関を立ち上げ、その中で計量士3名が必置要件となりました。 今後、計量士の活躍の場が大きく開かれることが期待されますが、現在は器差検査を中心とした検定機関として、自動車等給油メーターを対象とする1社が指定されましたが、自動はかり、非自動はかりの検定機関の指定が遅れていますので、それらの計量士の活用に関わる情報を速やかで的確にお知らせしていきます。

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 20190121            計量士への期待

 

                         副会長 桑山 重光

 5月1日、平成から新しい元号に変わります。「明治」、「大正」、「昭和」、「平成」と続き次の元号は、何でしょうか。昭和から平成に変わる時、「平成(へいせい)」 、「修文(しゅうぶん)、「正化(せいか)」が最終候補に挙げられていました。国民の関心は高まる一方です。 計量士制度は、工場、事業場、店舗、官公庁などにおける計量管理を促進するため指定事業場の制度(現在の適正計量管理事業所)とともに昭和26年6月7日に公布、翌27年3月1日に施行された計量法に取り入れられました。指定事業場に計量士を置いて計量管理を行う場合は、計量器の定期検査を免除するという規定が設けられました。計量士は計量管理の実務を担当する者として、単に取締り免除に必要な法令や技術の知識だけでなく、計量管理を実施できる知識と技術を有しなければならないとされました。計量士を取得する要件は、計量士国家試験に合格し、かつ、計量に関する実務に一年以上従事した者か、または計量教習所の科程を終了し、かつ計量に関する実務に五年以上従事した者であって、計量行政審議会が計量士国家試験合格者と同等以上の知識経験を有するものと認められた者との二通りでした。その後、昭和49年の法律改正により環境計量士が創設され、平成4年には、環境計量士が、「濃度関係」と「騒音・振動関係」に区分されました。 計量法の主な沿革では、昭和41年に計量法の大改正が行われ、昭和61年に電気計器の検定等の主体に指定検定機関(日本電気計器検定所)が追加され、平成4年5月22日に新計量法が制定され、翌年の11月1日に施行され現在に至っています。この間、平成20年4月22日に計量行政審議会より「新しい計量行政の報告について」の答申がとりまとめられました。この答申の中で、計量士の登録更新制度等の導入(例えば、5年ごとに更新を実施)、計量士の能力を活用した計量法の執行の推進が挙げられていました。しかしながら、社会の諸事情により計量法の改正には至りませんでした。 直近では、計量制度の見直しの検討ということで、平成28年2月~8月にかけて「計量制度に関する課題検討会」、「計量行政審議会総会」、「基本部会」が行われ、平成28年11月1日に「今後の計量行政の在り方―次なる10年に向けて」の答申がとりまとめられました。この答申を踏まえて、法目的である適正な計量の実施を確保するために、特定計量器である質量計に「自動はかり」を追加すること、指定検定機関の指定に器差検定を中心に行う区分の追加をする等の計量法施行令及び計量法関係手数料令の一部を改正する政令及び計量法施行規則の一部を改正する省令が公布されました。 この政省令改正において、指定検定機関の指定に器差検定を中心に行う区分に非自動はかり、自動はかり、燃料油メータが追加されました。従来から検定を行っている質量計において自動はかりも新たに検定を実施することになりました。特に、器差検定を中心とした指定検定機関の検定を実施する者の条件に、一般計量士が規定されました。また、計量士の登録条件が、「一般計量士にあっては、質量に係る計量に関する実務に2年以上従事していること」となり、実務期間が5年以上から2年以上に短縮されました。これは千載一遇のチャンスであります。このチャンスを生かすには、新たな人材の補充(若手計量士)の確保、自動はかりの検定に対応できる計量士の確保、技術の進歩や社会的環境等に応じたフォーロアップや研修の実施等に取り組んでいく必要があります。 私は、今年の5月に古希(70歳)の誕生日を迎えます。「若手計量士」からは卒業しますが、今後は、一番好きな座右の銘である温故知新(意味:古きを温め、新しきを知る。経験のない新しいことを進めるにも、過去を充分学ぶことから知恵を得ようということ。)の精神を理念に、今まで培ってきた技術や経験を生かし、「熟年計量士」として正しい計量思想の普及・適正な計量活動の推進に努力していきたいと思っています。 最後に、期待される計量士とは、①実現したい目標を持っていること。②目標を人に伝えるスキルを持っていること。③目標を実現した実績を持っていること。ではないでしょうか。

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 20180814                 探 照 灯

   

                           総務部長  檜林 功

 昭和が終わって平成も30年の節目を迎え、終戦の頃に住んでいた横須賀を訪ねたく、姉の記憶を頼りに姉弟3人で行ってきた。  京浜急行「汐入」駅からそんなに遠くないあたりに見当をつけて、小山の中腹を探した。階段がくねくね曲がっており、蹴上(けあげ )も高く踏面(ふみづら)もがたがたなのでちょっと違うんじゃないか、私の記憶では階段は真っすぐだったと思うよ、などと言いながら別のところを3ケ所ほど探してみた。  そうこうしているうちにお昼も過ぎたので、有名な海軍カレーでも食べようかと、横須賀ジャンバー「スカジャン」発祥の地、どぶ板通りの中程にある海軍カレーの張り紙が出ているバー風のレストランに入った。 横須賀は終戦の1年ほど前、父が海軍工廠(こうしょう)に配属になったので、疎開先から逆疎開して来たのである。戦後70数年も経った今、住所も分からぬまま探しに行ってみようというのだから無茶ではあるが、我が家の家族7人はそこで迎えた終戦の記憶が生々しい。その日父は米軍に捕まり、帰れないかもしれないと、家族と別れの水盃を涙で交わした家という強い思い出が残っているからである。 空襲警報のサイレンで防空壕へ飛び込んだこと、東京方面に向かうB29爆撃機の編隊に、あちこちから照射する探照灯がきれいだったこと、高射砲等の発砲音が恐ろしかった等、強烈に脳裏に焼き付いているのである。  ランチ後、横須賀港を見て駅へ戻る途中、どぶ板通りを歩いていたら姉が突然「あ!大黒湯だ!」と指さし叫ぶではないか。なんと当時通った銭湯がまだ残っていたのである!3姉弟が飛び上がって喜んだことは、言うまでもない。 懐かしい我が家へ向かう直通階段も昔のまま残っていて、感激もまたひとしおであった。階段を一段一段上り、ここだとおぼしき所に2軒長屋の古い家があった。無論今は無人でボロボロに朽ちてはいたが、昔を偲ぶには十分で、しばし当時を語り合い時の過ぎるを忘れた。  我々3姉弟の「昭和」はここに到れりで、横須賀探訪の思い出の旅は終わった。 さて来年は平成も終わり、年号が代わる。 驚きは130年も使われてきた国際キログラムの定義が変わることである。  電流のアンペアも変わり温度のケルビンも、物質量モルの定義も変わる見込みで、国際度量衡総会で採択されれば来年5月20日、世界中で一斉に施行される予定になっている。  人間生活上、欠くことのできない量の基本定義が変わり、人も代わりそして世の中も変わっていく。これも進化した科学の力か、自然のリンネか。  時 代は代わっても人が必ず守るもの、それは命を尊重し犯罪のない誰もが安心して暮らせる「平和な社会」である。昭和時代、平成時代をたくましく生き抜いてきた我が人生が、こんにちの犯罪多い殺伐とした日本を眺めた時、平和の大切さを痛切に感じるのである。

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 20180126           東京計量士会の発展に向けて

 

                             副会長  増永義雄

 東京計量士会に入会して10年余り、その内「理事」として約8年間お世話になっております。この度、急遽「副会長」の役を仰せつかり戸惑っております。  そこで「お尻を拭く(副)会長」であれば 何とか務まる」のでは、という浅はかな気持ちでおりましたが、既に「お尻を拭く(副)会長」は前任がおりましたので、東京計量士会としては比較的責任が少ない「床を拭く(副)会長」を引き受けることになりました。 責任ある役職はまだまだできないことも多いと思いますが、皆様の足手まといにならないように努力していきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。  さて、東京計量士会は歴代の役員の皆様や諸先輩方により数多くの功績と発展をしておりますが、 中でも、「都民計量のひろば」と「出前計量教室」及び「一軸試験機の校正を含む適正計量管理検査事業」は東京計量士会の重要な柱と考えております。  「都民計量のひろば」は、「くらしと計量」をメインテーマとして毎年11月1日に新宿駅西口広場で開催し、くらしの中に生きる計量を広く都民に啓蒙してきております。 特に、平成29年に「都民計量のひろば実行委員会」が行った「アンケート」の中で「公共料金等」に対する質問では、回答した約 5割の人が「ガス、水道、電気の正確性、信頼性に興味がある」と回答していることを鑑みて、公共料金を算出する計量器は正確性、信頼性が重要と考えております。 更に「ひろば」に参加された都民が「計量」に対する理解をより深めて頂けますように、「くらしの計量」である「都民 計量のひろば」を皆様とともに盛り上げ、発展させてまいりたいと思います。  また、大手企業による検査データの改ざん事件などが発覚されていますが、くらしの中に正しい計量があってこそ希望の持てる社会を担っていくものです。 希望の持てる社会を担うには、未来のある子供達に「単位や基準」により正しく「計る」、「量る」、「測る」ことなど、生活の中の正確な計量が重要であることを教える「出前計量教室」は、正しい社会の秩序を保つことに役立っておりますし、「都民計量のひろば」とともに更なる発展に努力したいと思っております。  そして、「一軸試験機の校正を含む適正計量管理検査事業」は東京都計量士会の重要事業の一つでありますが、ここでも事業に従事する方々の「高齢化」が大きな問題となっています。  現在、日本人の平均寿命が80歳代に延びたこともあり、「70、80は若手のうち」と言われそうですが、企業で勤務することは個人によっても違いがあり、大きな負担が掛かってくる場合もあると思います。 今後の「検査事業」を発展していくためには、会員一人ひとりの個人負担に起因することなく、相互扶助 の立場から皆様の「検査事業」へのご協力をお願いいたします。  最後に東京計量士会の更なる発展に向け、会の諸活動を盛り上げていくべき会員諸兄のご協力・ご支援をよろしくお願い申し上げます。

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 20170901           東京計量士会会長に就任して

                

                             会長  小林 悌二


  この度、平成29年度第18回東京計量士会定時総会において会長として、承認されました小林悌二です。
 私は、昭和40年4月に東京都に採用され、計量検定所に配属されてから現在まで計量に関わって50数年になりま す。その内訳は、計量検定所に約40年間うち景品表示法を担当し4年間新宿の都庁舎に勤務した以外は計量行政一筋でした。平成19年3月に定年退職後、縁あって(株)丸井の適正計量管理事業所の計量士として勤務することになり、東京計量士会に入会して、これが当会との関わりの始まりです。 東京計量士会では、入会2年目から理事として主に出前計量教室の講師として10年間で約130校の講師を務めて参りました。また、3期にわたって印南、横尾会長のもと副会長として務めさせて頂きました。今年度、前任の横尾会長が健康上の理由から、会長職を辞して勇退することになり、会長職を受けることを決めました。
 新体制になり組織強化のため組織改正を行い、技術研修部等の活性化を図り会員の多くが参加できる研修・見学会実施の体制作りとホームページの再構築を行い的確で速やかな情報提供を行えるようしていきたいと考えています。 また、出前計量教室等の普及啓発部門の更なる充実を図っていきます。それに加えて検査事業部の後継者も課題としてあります。 昨年、計量行政審議会の答申を受けて、今年度、政省令の改正が行われ、その内容には、計量士の新たな役割も盛り込まれており今後、さらに計量士の活動の場が増えることが考えられます。それらに対応するために積極的に取り組んでいきます。 そして、これから活躍して頂く若い会員の入会を促す取り組みとともに、会員、理事の皆様のご支援、ご協力を頂き更なる東京計量士会の発展ために、努めていきたいと考えております。
 よろしくお願いいたします。